元スレ
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赤沢泉美 榊原恒一 キュゥべえ 見崎鳴 藤岡未咲 勅使河原直哉 望月優矢 千曳辰治

1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:22:21.83 ID:9g2FV0dF0

燃え盛る洋館


赤沢(あぁ…私死ぬのかな…)

赤沢(最後まで恒一君に嫌な娘って思われちゃったな…)

赤沢(あ、もう…恒一君にも会えないの…か)

赤沢(死にたく…ない…みんなと…恒一君と一緒にいたいよ…)

??「生きたいかい?」

赤沢「!?…アナタ…誰な…の?」

??「ボクの名前はキュウべえ、ボクなら君を助けてあげられるよ」 

赤沢「ほんと…?」

QB「僕と契約して魔法少女になってよ」


2 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:24:23.09 ID:yjkaAi1M0

なんだろう

さやかちゃんを彷彿とさせる

5 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:30:36.40 ID:9g2FV0dF0

赤沢(私…ホントに生きてる…夢じゃなかったのね…)

赤沢「助けてくれてありがとう…えっとキュウ…べぇ…だっけ?」

QB「君を見つけることができてよかったよ、泉美。
  早速だけど、君には魔法少女として働いてもらうよ」

赤沢「さっきから魔法少女ってなんなの…?具体的に何をするわけ?」

QB「泉、君は夜見北の災厄の正体を知ってるかい?」

赤沢「死者が3組に紛れ混んで…それで死に近づいて…」

QB「その通り。でもね、その死者の正体が何なのか知ってるいるかな?」

赤沢「!?ッ何よそれ」


6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:33:36.81 ID:9g2FV0dF0

QB「その死者っていう者の正体が魔法少女の君が退治する相手である魔女なんだよね」

赤沢「…魔…女…?」

QB「そう。魔女とは人々の間に絶望を振りまく者のこと。全ての魔女が人間に化けるわけじゃないし、その必要性があるわけでもないんだけれどね。でも、人間達を絶望の淵に追いやりたいというのなら、その中に交わって動いた方が捗ることもあるだろう?」

赤沢「…」

QB「とりわけ、この夜見北中学の3年3組は人間でない者が混じっただけで、現象が勝手に機能してくれる。魔女は自ら力を行使せずとも、ただ人間に化け、クラスに交わるだけで夜見北の生徒とその親類までを死においやり、悲しみのどん底に突き落とすことができるわけさ。」


7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:37:16.23 ID:9g2FV0dF0

QB「つまり、この夜見北中学は奴らにとって利用する手はないってくらいコストパフォーマンスがいい場所なんだよ。だから、ここには君のような魔法少女が必要なわけだ、泉美」

赤沢「わかった…死んだクラスのみんな…これからの3組の人達のためにもそんな奴ら見過ごせない。私、戦うわそいつらと」

QB「それは頼もしい限りだね。君ほど大きな力を持つ魔法少女ならば、多くの人々を救えるだろう。」



8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:40:11.05 ID:9g2FV0dF0

赤沢(大きな力ね…)

あの晩、泉美の周りは盛んに燃える炎に支配されていた。
このままでは自分が生き返っても、クラスの皆が焼け死んでしまう…
どうにか…どうにかしなければ…自分はまた何も出来ないのではないか…そんな思いばかりにかられる。
しかし、炎が消えるようにと強く念じた瞬間、泉美を中心として瞬時に炎は消えていった。
気が付けば、彼女は赤い衣装に身を包み、胸元の首飾りには血のように赤い宝石を輝せていた

赤沢(あれが魔法少女の力…それより皆は無事なのかしら…)


赤沢「私、クラスに顔を出してくるわ。どれくらいの人が生き残っているのかすぐにでも確かめたいし…」


11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:44:02.57 ID:9g2FV0dF0

夜明けの洋館前

望月「赤沢さん!?無事だったの?赤沢さんは確か榊原君の話じゃ…」

赤沢「わ、私は無事よ…恒一君、酷い怪我で意識が朦朧としていたみたいだから、勘違いしていたんじゃないかしら!!」

赤沢「それより、今生き残っている3組の人って…」

望月「えっと…榊原君に勅使河原君に多々良さん……あと見崎さんかな…だいたいの人が怪我をしていて今は病院にいるね…」

赤沢「見崎さん!?…あの子が死者だったんじゃ」


12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:45:15.14 ID:9g2FV0dF0

望月「それがね…今回の死者はもう死んだらしいんだよ。死者が死んだってのもおかしな言い方だけど…とにかく、見崎さんではなかったみたいなんだ。」

赤沢「嘘!?じゃあいったい誰が…って言っても、もう私達には思い出すこともできないのよね…」

望月「うん…すごく大事なことなはずなのに、僕も思いだせそうで、思いだせない…榊原君達がその死者を死に帰したらしいけど…」


13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:46:50.77 ID:9g2FV0dF0

赤沢「そ、そう…(恒一君が魔女を…ただの人間にそんなことってできるのかしら…)」

望月「えっと…僕はこれからみんながいる病院に行くけど、赤沢さんはどうする?」

赤沢「そうね…私もいくわ。(いくらなんでも恒一君と見崎さんにはこのことごまかしきれないわね…)」


14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:47:42.30 ID:9g2FV0dF0

病院
恒一「赤沢さん!?どうして…」

見崎「!?ッ」

赤沢「無事でよかったわ、恒一君……多分、私の事で混乱していると思う。事情を説明したいし、少しいいかしら?あと見崎さんも…」


16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:49:49.20 ID:9g2FV0dF0

病院(屋上)

赤沢「まずは本当にごめんなさい見崎さん…あなたを死者だなんて勘違いして、本当に最後まで無能な対策係で…」

見崎「うん…」

恒一「それより、赤沢さんが生きている理由って…」

赤沢「そ、そうね…説明しなきゃね…落ち着いて聞いて欲しいだけどね…


17 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:52:02.95 ID:9g2FV0dF0

赤沢「私、魔法少女になったの」

恒一「」
見崎「…」


恒一「ごめん赤沢さん…ちょっと言っていることが理解できない。赤沢さんも入院した方がいいんじゃ…まぁあんな惨劇の後じゃ仕方ないよ…」

赤沢「だっだからね、私、魔法少女に…えっと…キュウべえっていうのと契約して…」


恒一「わけがわからないよ…」


QB「それは、ボクから説明させてもらうよ。」


恒一見崎「!?」


19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:53:11.38 ID:9g2FV0dF0

QB「斯く斯く然々…という訳なんだ。」

恒一「ちょっと待った!!それじゃ玲子さんも魔女だったというのか?」

QB「だろうね。君に僕が視認できているのもその魔女と長く接していたから、魔法というものに対して耐性ができたせいだろう」

恒一「そんな…」

見崎「…」


ドンッ

恒一「どうしたんですか、先生」
千曳「それがね、落ち着いて聞いて欲しんだが…」
恒一「何かあったんですか…」
千曳「和久井君が意識不明の重態だ。それに他の病院の患者までもが似たような状態にあるらしい。」



20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:54:37.07 ID:9g2FV0dF0

赤沢「キュウべぇ、和久井の様態と魔女は何か関係があるのかしら?」

QB「おそらくね。魔女の呪いによって急に持病が悪化したり、原因不明の病にかかることは珍しいことではないさ」

赤沢「それじゃあもうすぐ近くにいてもおかしくないわけね…」

QB「そうだね。魔女はこの近辺に普通の人間にはみえない結界を張っているはずだ。その結界を探すのにソウルジェムが役に立つ」

赤沢「ソウルジェムってこの宝石のこと?」

QB「そう。魔女の結界に反応するから、この病院を詮索してみるといい。早くしないと君のクラスメイトだけではなく、この病院、全ての患者の命が危険だ。」

赤沢「わかったわ」


23 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:56:21.31 ID:9g2FV0dF0

病院裏
赤沢「どうやら、ここみたいね…」
QB「心の準備はいいかい?」
赤沢「ええ…」

結界内
赤沢「何よここ…気味が悪いわね…」

24 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:57:13.81 ID:9g2FV0dF0

よく見ると、小人や妖精のような不思議な生き物がたくさんいる
泉の存在に気付いたようで、一斉に向かってきた。

赤沢「あいつらは何者なの?」

QB「魔女の使い魔さ。魔女の部下みたいなものだよ」

赤沢「なら、私の敵ってことね!!」

むかってくる使い魔達が一瞬にして火達磨となり、灰となる

QB「やはり僕の目は間違っていなかった。君は強力な力を持っているね」

赤沢「でも…数が多すぎるわ!!このままじゃ、埒があかない…」

QB「使い魔達は無視して、どんどん先へ進めばいい。この先の扉を開け続けていけば、いずれは魔女の元へたどりつくはずさ。」


26 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:58:32.04 ID:9g2FV0dF0

赤沢「ここには…扉がないみたいね…」

赤沢「!?」


QB「気をつけて!!あれが魔女だよ」

泉の真上には、逆さまに泳ぐ巨大な蛸のような生物が浮遊していた。
体は無色透明で、何本もの触手を蠢かせている。その触手からは、薄い緑色、赤、紫などの様々な色の光が放たれていた。オーロラのような美しい光である。
容姿はグロテスクであるのに、その光のせいなのか妙に神秘的なオーラがあった。


赤沢「あれが…」


27 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 21:59:47.96 ID:9g2FV0dF0

QB「来るよ!!」

何本もの触手が泉に襲いかかる
すかさず、泉美も触手を発火させる

赤沢「なっ…再生した!?」

QB「これはやっかいな敵だね…あいつを倒すには一撃であの巨体を焼き払うしかない…」

赤沢「そんなこと言われても…そんな暇…」

次々と触手が襲いかかるため、泉には大きな一撃うつような間はなかった
次第に泉は防戦一方の戦いに追い込まれていく

赤沢「あっ…」

遂に数本の触手が炎を突き破り、泉美を捕える


28 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:00:53.26 ID:9g2FV0dF0

赤沢「くっ…」

触手は捕えた泉をそのまま地面に何度も叩きつけた
泉がぐったりして、何の反抗も示さないと悟ると、触手は彼女の衣装の中をまさぐり始める。

赤沢「なっなにを…」

QB「早く逃れるんだ、泉!!その魔女は君の魔力を吸い上げようとしている!!」

触手は泉のスカートの中、胸元から侵入し、すぐに全身の肌という肌にまで到着し密着する。

赤沢「やめ…離して…」

泉は全身の力が奪われていくのがわかった。体に力が入りそうにない。
魔女は触手の圧迫強めたり、弱めたりして泉美の苦痛に歪む表情を楽しんでいるかのようだった。
魔女があげる下衆な笑い声が耳障りである。


29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:02:58.10 ID:9g2FV0dF0

赤沢「こ…んな…ところで…」

負けられない…
朦朧とした意識の中、死んだ親友や果たせなかった責務のことを思い返す
あの憎悪は見崎鳴になどあてるものではなかった。
だが、今こうしてぶつけるべき相手が目の前にいて、しかも自分の体をいいように弄んでいる。
その事実を再確認しただけで、泉美は力が湧き上がってくるように感じた。

赤沢「殺し…て…やる…」

直後、魔女の断末魔が響きわたる
そこには、全身が炎に包まれ、悶絶する魔女の姿があった。
魔女の再生は全く追いつかず、その巨体はみるみる灰となっていく。


魔「ああああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ」

泉に対する呪詛の念をこめたような叫び声をあげながら、その魔女は消滅した



31 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:05:22.08 ID:9g2FV0dF0

赤沢「勝った…よ…キュウ…べえ…」バタッ

QB「ふぅ…やれやれだね」



32 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:06:04.77 ID:9g2FV0dF0

赤沢「(えっと…ここは病院…私どうしてここに…)」

赤沢「(ああ…魔女を倒した後、倒れたのか…)」

QB「体調はどうだい?」

赤沢「あまり優れないわね…それにソウルジェムも黒ずんじゃった」

QB「それは、魔力が不足しているせいだ。あの魔女が落としたグリーフシードをだしてごらん」
赤沢「この真っ黒な奴のこと?」

QB「それをソウルジェムに近づけて」

赤沢「だいぶ元の綺麗な赤に近くなった…なるほど、魔女倒すことでこういった見返りもあるのね」

QB「そう、しかし今回のような戦いは関心できないな。ああいう力の使い方は大量の魔力を消費して大きな負担になるからね。」

赤沢「気をつけるわ…」


33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:07:25.11 ID:9g2FV0dF0

医師「やあ、気が付いたようだね。気分はどうだい?」

赤沢「大丈夫です。お忙しい中、すみませんでした」

医師「いやいや、君が気にすることではないよ。それにね、なぜか君が入院した直後に患者達の病状も落ち着いてきたからね」

赤沢「良かった…全員助かったんですよね?」

医師「いや、それがね…」

赤沢「?」

医師「君と同級生の和久井君だったかな…あの子だけは助けられなかった…


34 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:11:44.52 ID:9g2FV0dF0

赤沢「(どうして…どうしてなの…)」
赤沢「(なぜ、3組の和久井だけが何人もの患者の中で都合良く死ぬのよ…)」
赤沢「(まさか…まだあの災厄は続いて…)」
赤沢「(だとしたら死者は誰になる…だけど、それは恒一君達が始末したって…)」
赤沢「(いや、魔女である死者を普通の人間が何とかできるわけがない…
魔法少女の自分でも下手をすれば殺されかけない相手なのだと先ほど痛感したばかり…)」
赤沢「(見崎鳴…)
赤沢「(やはり…あの子が死者…いや、魔女だったのね)」


35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:13:58.12 ID:9g2FV0dF0

とある病室にて

見崎「具合はどう?榊原君」
恒一「体の方は大丈夫だよ。元々入院する程の怪我じゃないし、普通に動かせる」
見崎「体の方は…か…」
恒一「…」
見崎「やっぱり、怜子さんの事気にしているんだね…」
恒一「うん…僕は怜子さんが魔女だなんて信じたくない…間違いなく、怜子さんの人格はちゃんとした人間だった…そんな玲子さんが…」
見崎「私もそう思う」
恒一「え?」
見崎「だってね…あの白い生物が言っていた通りの力を魔女が持っているなら、私達にどうにかできるわけがないもの」
恒一「そうか…確かにね」


36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:16:12.43 ID:9g2FV0dF0

見崎「だから、あの生物の言っていることは簡単に信じない方がいいよ。」
見崎「それにね…赤沢さんが魔法少女って言っていたけれど…やっぱりそれも気になる」
恒一「まさか…今回の和久井君の死に関係しているんじゃ…」
見崎「そう、私達は確かに赤沢さんが死ぬところを見た…そして今は生きている…」
恒一「まさか…」
見崎「だから、私は確かめないといけない…それにね…なぜかさっき赤沢さんから屋上にくるように言われたんだよね」
恒一「なんだか、すごく嫌な予感がする…見崎一人じゃいかせられないよ、僕もいく」
見崎「一人でくるように言われているから…来るなら、隠れていてね」
恒一「わかった…」


39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:21:22.20 ID:9g2FV0dF0

屋上

赤沢「よく一人で来てくれたわ、見崎さん」

見崎「私なんかに何の用?魔法少女さんは魔女退治で忙しいんじゃないの?」

赤沢「魔法少女だからこそあなたに用があるのよ、見崎さん」

見崎「(なるほど…だから私を呼び出したわけか…)」

赤沢「アナタ…魔女なんでしょ」

見崎「…」

赤沢「どうなの?正直に言いなさい」

見崎「…」

赤沢「ならもういいわ、死になさい」


40 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:22:42.39 ID:9g2FV0dF0

恒一「駄目だ!!赤沢さん」

赤沢「なっ恒一君!!離してっ!!」

赤沢「あっソウルジェムが…返しなさいっ」

恒一「(これで…変身するのか…なら…)」

恒一「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

赤沢「あっ…」

恒一「ハア…ハア…話を聞いて、赤沢さん…」

赤沢「」

恒一「えっと…赤沢…さん?」

赤沢「」

恒一「赤沢さん!!しっかり…」

赤沢「」


42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:23:33.48 ID:9g2FV0dF0

見崎「死者の色…」

恒一「え?」

見崎「赤沢さん…死んでる…」


QB「今のはまずかったよ、君たち」

恒一、見崎「!?」

QB「そっちは抜け殻なんだ」


43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:25:09.93 ID:9g2FV0dF0

その後、泉はキュウべえから魔法少女の真実を聞いた。
ソウルジェムは恒一達が病院の周辺を必死で捜索して見つけだしたらしい


赤沢「騙していたのね…」

QB「騙すという行為自体、僕には理解できないよ 。認識の相違から生じた判断ミスの後悔を僕にぶつけられてもね。」

赤沢「そうね、本来私はあのまま死ぬはずだった…たとえ、こんな体になったとしても文句を言う資格なんてないのかもしれない。」


45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:26:53.00 ID:9g2FV0dF0

赤沢「だけど、あなた気付いていたんでしょう?私が死者になっているって」

QB「確かに、君を生きている人間とは異なる存在にしたのは僕だ。だけどね、災厄の再発を逃れる方法はあったはずだよ」

赤沢「え?」

QB「この夜見北の現象は『死者が3年3組に交わること』で発生する。
別に死者が誕生することで現象が起こるわけじゃない。
今回の現象は君がクラスの連中に姿を晒すなんてことをしなかったら、未然に防げていたものさ。
そこのところを僕に責任転嫁されても困るよ。」

赤沢「そんな…」


47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:28:20.15 ID:9g2FV0dF0

赤沢「私ってホント、無能…」

赤沢「(このまま魔法少女でいても、みんなを危険に晒すだけ…なら、いっその事…)」

赤沢「(いや、そんなことをしなくても、多分もう私は長くない…)」

泉のソウルジェムに以前の鮮やかな赤の面影はもうない。
それは、空気に触れて黒ずんだ血のような不快な色に変色していた。

赤沢「(私、どうなっちゃうんだろ…)」


恒一「赤沢さん…」

赤沢「恒一君…何の用?」


49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:29:49.50 ID:9g2FV0dF0

恒一「赤沢さんに一人ぼっちでいて欲しくないんだ…だから…」

赤沢「なんで、恒一君はそんなに優しいかな…私、死者なのよ…災厄の元凶なのよ!!おまけに見崎さんをまた殺そうとした…殺されるべきなのは私の方なのに」

赤沢「だから、優しくなんてしないでよ…私にはそんな価値なんてない。」


恒一「価値なんて関係ない。僕は僕の勝手で赤沢さんを心配してるいんだ。」

赤沢「どうして…そこまで…」

51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:30:58.93 ID:9g2FV0dF0

恒一「前回の災厄の死者はね、僕のとても大切な人だった。
そして僕はその人を殺さなければならなかった。もうこれ以上の犠牲者をださないためにね。」

恒一「僕は間違っていなかったと思う。死者は死に帰るのが道理だし、もしあのままだったら僕自身も死んでいたかもしれない。でもね、今は後悔の気持ちしかないんだ。」

赤沢「え?」


52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:34:15.45 ID:9g2FV0dF0

恒一「もし、あのまま、みんなを裏切ってあの人と一緒にいれたら、僕自身は今以上に幸せであれたんじゃないのか…
今ある僕の生活があの人を殺してまで手に入れたかったものか…そんなことばかり考えているんだよ」

赤沢「でも…その人の正体は…」



53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:36:00.25 ID:9g2FV0dF0

恒一「もし、あのまま、みんなを裏切ってあの人と一緒にいれたら、僕自身は今以上に幸せであれたんじゃないのか…
今ある僕の生活があの人を殺してまで手に入れたかったものか…そんなことばかり考えているんだよ」

赤沢「でも…その人の正体は…」
恒一「そう魔女だった…正直、今でも信じたくない。でもさ、それでもいいんだ。
僕は一人の魔女を一人の人間として好きなった。それだけだよ。」

恒一「そして、それは赤沢さんも同じ。魔法少女になっても魔女になっても赤沢さんは赤沢さんだ。赤沢さんが死者でも僕は赤沢さんが人間として好きだよ。」

赤沢「こっ恒一君…」


54 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:37:02.16 ID:9g2FV0dF0

恒一「だから今度は周りを危険に巻き込んででも、大事な人を守りたい。これはただの僕の我儘だ。
間違っているのかもしれない。でも、それが僕にとって一番後悔のない選択な気がするんだ。」

赤沢「私もう死んでるのよ…ゾンビなのよ…そんな私を恒一君は人間だって…大事な人だって…言ってくれるの…」

恒一「魔法少女だって…魔女だって…きっと人間になれるんだよ」


56 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:43:48.33 ID:9g2FV0dF0

病室前

恒一「(赤沢さん…あれで元気だしてくれたかな…)」

勅使河原「よう、サカキ」

恒一「勅使河原!!お前、もしかして聞いてたのか!?」

勅使河原「まあな」

恒一「怒らないのか…僕は皆をあの災厄に巻き込もうとしてるんだぞ…」

勅使河原「ん~つってもなぁ~あんな漢らしい 恒一君 見ちゃったら、取りつく島もないっつうかな~」ニヤニヤ

恒一「少しは真面目に考えてくれよ…\\」

勅使河原「まあ、冗談はおいといてな。俺も赤沢が死ぬところなんて見たくねぇんだ。お前が後悔してシケた面になってるのもな。」



57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:45:28.22 ID:9g2FV0dF0

勅使河原「俺もあの災厄で親友の風見を失った。だから、もう一回仲間失うかもしれないのはすげー怖えよ。
だけどな、そのために赤沢を失うのも嫌だ。なら、どうすればいい?簡単だ、両方助ければいい。」

勅使河原「死者を死に帰して、生者の安全を保障するってのが一番大人で賢い選択なのかもしれねえ…
でもな、小さな可能性でも俺はどっちも救って、みんな幸せにするってのも間違ってねえと思う」

恒一「勅使河原…」


58 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:47:03.66 ID:9g2FV0dF0



勅使河原「少なくとも、俺はそのために頑張る奴を見たら応援するぜ。」ニッ

61 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:49:23.52 ID:9g2FV0dF0

その後、3年3組の生存者は和久井を除いて、残りの夏休みを病室で過ごすことにはなったが、無事に2学期を迎えることはできた。
しかし、災厄のショックから抜け出せない者もいて、学校に登校してくる生徒はまだその内の半数程度だ。
望月優矢も依然としてその一人であった。


勅使河原「なあ、サカキお前望月のこと何かしらないか?」

恒一「まだ、ショックから抜け出せていないのかな…」


62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:50:17.86 ID:9g2FV0dF0

勅使河原「まあ、ショックを受けていなかったわけじゃないが…病院で俺と話していた時は、それほど塞ぎこんでいたわけでもなかったんだよなあ…」

恒一「(もしかして、二度目の災厄が何か関係しているんじゃ…)」

恒一「とりあえず、放課後、皆で様子見にいってみないか?」

勅使河原「だな。おーい赤沢、お前も行くよな?」

赤沢「そうね、一緒させてもらうわ…」

恒一「見崎も来る?」

見崎「うん…」


64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:58:06.26 ID:9g2FV0dF0

望月家周辺

赤沢「何よ…これ…」

恒一「これは…」

赤沢「気をつけて恒一君、これが魔女の結界よ」

勅使河原「ん、お前らどうしたんだ?」

赤沢「なんでもないわ…先に進みましょう…(そうか…勅使河原には見えていないのね…)」

しばらく進むと、勅使河原の様態が急変した

勅使河原「あ…なんだが…め…まいが…」

恒一「勅使河原!!」

恒一「大丈夫か!!しっかりしろ!!」


65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 22:59:09.64 ID:9g2FV0dF0

QB「おそらく、魔女の魔力にあてられたのだろうね。彼には耐性がなかったようだ」

赤沢「キュウべえ…いたのね…」

恒一「大丈夫なのか…」

QB「命に別状はないと思うよ。長時間留まるのは危険だけれどね」

赤沢「一度、引き換えしましょう…」

勅使河原「いあ…大丈夫…だ…」

勅使河原「俺にはよくわかんねえけどよ…望月が巻き込まれてるだ…ろ……アイツに俺は一度助けられてんだ…ほっとけ…るかよ…」


66 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:00:05.01 ID:9g2FV0dF0

赤沢「わかった…恒一君、勅使河原をしっかり支えてあげて」

恒一「うん…しっかり捕まってろよ、勅使河原」




見崎「ねえ、アレ…」


勅使河原「望…月…?」

赤沢「みんな気をつけて…」




望月「やあ、みんな!!」


67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:00:59.57 ID:9g2FV0dF0

勅使河原「お前…何してたんだ?…心配させてんじゃねぇよ!!」

望月「ごめんごめん。でもね、みんなに嬉しい知らせがあるんだ!!」

勅使河原「嬉しい…知らせ?」


望月「そう…三神先生がね、蘇ったんだよ!!」


恒一「嘘だ…そんな…はず…」


68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:02:00.85 ID:9g2FV0dF0

赤沢「誰なの?三神先生って?」

恒一「僕の叔母で…前回の災厄の死者だった人だよ…」

赤沢「それって…」

望月「何で皆も僕もあんな大事な人の事忘れていたんだろうな…ずっとおかしいと思っていたんだ…多分、これはきっと悪い魔女の仕業だね。」チラッ

望月「そうだよね? 赤 沢 さ ん ?」

勅使河原「お前…何言って…」

望月「みんな騙されたら駄目だよ…その魔女に…」


69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:03:36.06 ID:9g2FV0dF0

勅使河原「いい加減にしろ!!騙されてんのはお前の方なんだ!!しっかりしろよ!!」

望月「ハア…皆、わかっていないんだね…なら、三神先生にあわせてあげるよ…」

望月「おーい、でてきてよー三神先生!!」




赤沢「なっアレは…」


赤沢「(そん…な…アレは私が確かに倒したはずの魔女…グリーフシードだって…)」

赤沢「キュウべえ、どういうことなの?」


71 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:11:20.92 ID:9g2FV0dF0

QB「あの時、魔女は自分が死んだように君に幻覚を見せていたのだろうね。
おそらく、あの触手から放たれている光に幻覚作用があったんだ。
彼もそれによって操られている。」

赤沢「そんな…」


恒一「怜…子…さん?」
勅使河原「」バタッ

赤沢「勅使河原…恒一君まで…しっかりして!!」

赤沢「(一人でも勝てるかわからない敵と皆を守りながら戦闘するなんて危険すぎるわ…)」


72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:13:15.58 ID:9g2FV0dF0

赤沢「見崎さん、あなたは大丈夫なの?」

見崎「一応平気…」

赤沢「そう、よかったわ」

赤沢「今から…恒一君と勅使河原を連れてできるだけ遠く逃げてちょうだい。」

見崎「赤沢さんは大丈夫なの…」

赤沢「心配いらないわ。望月君を連れてすぐに戻るから。」

見崎「わかった…」

赤沢「頼んだわよ…勅使河原はともかく、恒一君に怪我させたら承知しないんだから」


73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:14:07.67 ID:9g2FV0dF0

赤沢「(お願いね…恒一君のこと…あなたなら、きっとできるわ…見崎さん…)」

魔女「きゃはははははははははは」



赤沢「さて、あなたには私と一緒にここで地獄に落ちてもらうわ」


74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:15:05.22 ID:9g2FV0dF0

見崎「(赤沢さん震えていた…多分、あれは強がりだ…)」

見崎「(このまま、見捨てていいの…彼女を…)」

見崎「(でも、私にできることなんて…)」



見崎「あっ」

勅使河原の体を支えきれず、体が前方によろけて転んでしまう。


75 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:15:48.45 ID:9g2FV0dF0

見崎「痛っ…」

擦り剥いた膝と手のひらからジワリと血が滲む
鳴の華奢な体で男二人を支えて動くのはもう限界に近かった。
気が付けば、周りは不思議な生き物達で囲まれている。

見崎「何…これ…?」

見崎「やめ…て…こないで…」

使い魔「きひひひひひひひひ」

見崎「(助けて…)」


76 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:16:50.57 ID:9g2FV0dF0

赤沢「(この魔女を今の私が倒すにはもう自爆魔法以外にない…)」

望月「三神先生、早くあの悪い魔女を倒してよ!!」

赤沢「(大丈夫…望月君…あなたは私が責任をもって助けるから…)」

泉美の体から漏出した魔力が炎へと変化し、彼女を守る壁となる。
向かってくる触手は呆気なく焼きつくされてしまう。

赤沢「(邪魔なんてさせない…)」

赤沢「(終わらせるんだ…魔女も…災厄も…)」


赤沢「(よし、もう少し…だ…)」


赤沢「(これで…ホントにお別れか…)」

赤沢「(じゃあね…恒一君…約束守れなくて、ごめんね。)」

赤沢「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:18:36.62 ID:9g2FV0dF0

??「駄目だよ。」

赤沢「え…?」

??「そんなことしたら、魔女になっちゃうよ」

赤沢「見…崎…さんなの?どうしてアナタが…それにこの力は…」

結界内は白銀の世界へと変わり果てている
使い魔達も目の前の魔女も氷づけとなってしまい、身動き一つすることはなかった

??「確かに私は…ミサキだけど…あなたの知ってる見崎ではないかな」

赤沢「え?」

??「私は藤岡未咲、あなたと同じ魔法少女だよ。」


80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:23:16.16 ID:9g2FV0dF0

赤沢「魔法少女……なんで…あなたは見崎さんと瓜二つなのよ」

未咲「アハハ…やっぱり、信じられないくらいそっくりなんだ」

未咲「でもね、ちゃんとこっちに鳴ちゃんも皆もいますよー」

恒一「ごめん…赤沢さん…僕なんだか…」

勅使河原「おい望月、大丈夫なのか!?」

望月「あれ…勅使河原君に…皆…どうしたんだい?」

勅使河原「ああ…良かった…お前までいなくなったら…俺…」


赤沢「本当なのね…でも、皆…よかった…」


83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:31:22.68 ID:9g2FV0dF0

未咲「私と鳴は血縁状、双子の姉妹になるの。見た目がそっくりなのはそのせいだよ。榊原君はもう知ってるんだっけ?改めて、よろしくね皆」

未咲「まあ、とりあえずいろいろ説明が必要だよね。皆、混乱してるもんね…」

未咲「私は今年の災厄での一番始めの犠牲者だったの。急に様態が悪化してさ。でも、意識を失う寸前にキュウべえと契約して、魔法少女になった。」


84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:33:14.95 ID:9g2FV0dF0

未咲「そして、キュウべえから夜見北の災厄の原因について聞いた。3組には鳴がいる。
だから、私はなんとしてでも災厄を止めるために死者である魔女を見つけだす必要があったの。」

未咲「でもね、元々魔女が人間に化けたり、さっきのみたいに幻覚を使ったりするようになったのは天敵である魔法少女の目を欺くためでもあるんだ。
そして、私の目では魔女を見抜くことはできなかった。」

未咲「だから、私は鳴の義眼に魔法をかけ、死者を見抜く力与えた。
与えたったてよりは、引き出したって感じだけどね…」


85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:34:49.39 ID:9g2FV0dF0

未咲「そして、みごとに鳴は魔女を見つけてくれた。でも、そこでイレギュラーなことがおこったの」

恒一「ただの人間の僕がその魔女を殺したこと?」

未咲「そう。そして…ここからは、仮説にすぎないんだけど、私なりに魔女について考えたから話すね…魔女の誕生と進化について」


86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:37:36.82 ID:9g2FV0dF0

未咲「まず、魔女の誕生について…魔女の元は魔法少女なの。その魔法少女が絶望に染まった姿が魔女なんだ。そうよね、キュウべえ」


QB「よく気付いたものだね、藤岡未咲。まあ知られてしまったのなら、仕方ない。
君たち魔法少女の魂であるソウルジェムは、魔力の消費や絶望に触れるにつれていずれは燃え尽き、グリーフシードへと変化する。
その瞬間に発生する膨大なエネルギーを宇宙のために回収するのが僕たち、インキュベーターの仕事さ。」

赤沢「そんな…」


87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:39:08.22 ID:9g2FV0dF0

恒一「まってくれ…それじゃあ怜子さんも元は…」

未咲「そう…私がその事実に気付いたのも怜子の存在から…彼女は15年前、確かに3年3組に存在していた。
きっと、その時に怜子はキュウべえと契約して魔法少女になったんだね。そして、今になって魔女として夜見北に彼女は現れた。」

未咲「だけど、魔女であるはずの怜子は姿も人格も人間そのものだった。
それだけなら、擬態の上手い魔女だけですむ話だけど、人間である恒一君になんの抵抗もすることなく、殺された。」


88 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:41:18.78 ID:9g2FV0dF0

美咲「さっき、魔女は天敵である魔法少女から逃れるために、人間に擬態するって話をしたじゃない?
それって数世紀前まではどの魔女にも見られなかった力らしいの。」

QB「そうだね、魔女の歴史は人類の歴史でもある。人類が進化したように、魔女も進化していったよ。僕達の予想裏切る形でね。」

未咲「そして魔女は今までと比べて、人間と交わる機会が増えた。
その過程で人間にあって元は魔女にはなかった感情や理性を持つようになった個体が誕生してきたの。」


89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:44:16.08 ID:9g2FV0dF0

未咲「これはどこか遠い世界や時代のすごい女の子が祈った願いのせいなのか…
それとも、無意識の内に人間に対して憧れを抱いていた魔女達が自発的に引き起こした結果なのかは謎だけれど…」

恒一「じゃあ…怜子さんは…」

未咲「そうだね、きっと…人間の心を持った…いや、取り戻した魔女だったんじゃないかな…」




93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:55:55.28 ID:9g2FV0dF0

赤沢「でも、その怜子さんっていう人は人間の心を取り戻しておいて、なぜ3組の副担になったの?災厄のことは知っていたはずでしょう?」

QB「そういった種の魔女が限りなく人間に近い存在へと昇華する時、大半の個体が自身の正体を魔女だとは認められず、人間だと思いこもうするんだ。
おそらく、彼女は自身のせいで周りの人間が死んでいるとは認めたくなかったから、そんな自己欺瞞に走ってしまったのだろうね。」


恒一「怜子さんが…時々苦しんでいたのはそのせいか…」


94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12 23:56:54.20 ID:9g2FV0dF0

恒一「そっか…」

恒一「僕が好きだった人は確かに人間だったんだね…」


恒一「最後に1ついいか、インキュベータ?」

QB「なんだい?」

恒一「15年前、怜子さんはどんな願いを祈って魔法少女になったんだ?」

QB「姉のお腹の子を助けてほしいと、そう願われたよ。」


97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 00:05:46.97 ID:vX8Ni6yC0

数日後

赤沢「ごめんなさいね、また呼び出して」

見崎「ううん、いいの」

赤沢「私ね、しばらく夜未北を離れようと思う」

見崎「どうして榊原君じゃなくて、私に?」

赤沢「あなただからよ。3組の人間を巻き込まないためにも、私はどうしてもここを離れなきゃいけない」

赤沢「だから、私がいない間、恒一君を支えてあげて欲しいの。今あんな状態でしょ…彼…」

見崎「…」

見崎「榊原君には言わなくていいの…?」


98 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 00:06:46.30 ID:vX8Ni6yC0

赤沢「うん、言わない。これはお別れじゃないもの。必ず帰ってきてやるんだから」

見崎「そうだね、私もそうして欲しい。アナタがいないと面白くないしね」二ヤリ

赤沢「フフッ…言うじゃない…じゃあここでバトン渡しておこうかしら」シュルッ

見崎「これ…赤沢さんがいつもしてるリボン…」

赤沢「そう、私が帰ってきた時、また返してちょうだい。なくしたら、承知しないわよ」

見崎「うん…」

赤沢「それじゃあ…まかせたわよ…」

見崎「またね…赤沢さん」



110 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 00:27:10.64 ID:vX8Ni6yC0

未咲「もう、行っちゃうんだね。」

赤沢「ええ、もう皆を巻き込むわけにはいかないもの。あなたは、これからどうするの?」

未咲「私は鳴と一緒にいるかな」

未咲「多分、私達が怜子のようになるには大事な人と一緒にいたり、恋したりすることが重要だと思うんだよね。」

未咲「感情豊かな状態でいればいる程いいらしよ。まあ、全部あの胡散臭いキュウべえが言っていたことだから、怪しいんだけどねー」


赤沢(恋ね…)


111 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 00:28:49.85 ID:vX8Ni6yC0

赤沢「そう…とりあえず、あなたには本当にお世話になったわ…ありがとう…あと、最後に一つ聞きたいことがあるんだけど、いいかしら」


未咲「何かな?」

赤沢「私が最初に倒しそこねたあの魔女…確かにグリーフシードを落としわ。それがなぜ生きていたの?」

未咲「ああ…アレわね…鳴が持っていた怜子のグリーフシードなの…」

赤沢「え?」

未咲「アナタが倒れた時、ソウルジェムはかなり穢れで浸食されていて危なかった…アナタが眠っている間、鳴はそっと手元にグリーフシードを置いたんだよ」

赤沢「なるほど…」

赤沢「私は…あの子にまで救われていたのね…」

赤沢「私ってホント、無能だったわけね…」


112 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 00:30:24.82 ID:vX8Ni6yC0

未咲「アハハ、それが泉美ちゃんの可愛いところだよー」

赤沢「そんなこと言われたって…嬉しくないわよ…\\\」

赤沢「あの子にお礼の言葉伝えておいてくれないかしら…さっき会ったけど言いそびれちゃったわ…」

未咲「うん…いいよ。」

赤沢「それじゃあね。また…会いましょう」

未咲「うん…バイバイ泉美ちゃん」


113 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 00:32:01.04 ID:vX8Ni6yC0

赤沢「(最後に…あの景色見ておこうかな…)」

赤沢「あれは…恒一…君?」

恒一「ハア…ハア…見崎から、さっき聞いたんだ…赤沢さんがこの町を出るって…」

赤沢「ちょ…大丈夫なの?気胸患ってるんでしょ…」

恒一「ハア…大丈夫…」ガクッ

赤沢「恒一君…ほら、私の手かしてあげるから…」スッ

赤沢「(フフ…あの時とは真逆ね…おかしな話だわ…)」

恒一「なんだ…やっぱり、違うじゃないか」


160 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 06:54:37.47 ID:vX8Ni6yC0

赤沢「え?」

恒一「赤沢さんの手ちゃんと温かい…君は人間だよ…僕の大事な…」

赤沢「恒一君…」

恒一「いつか、また同じ学校に一緒に行こう。そこで、楽しめなかったこと全部やろう。
修学旅行だって学園際だって…体育際だって…なんでもだ。あんな悲惨な学生生活、全部忘れるくらいに楽しんでやろう」

恒一「だから、赤沢さん…必ず戻ってきてね…僕のところへ」


赤沢「ええ…約束するわ…このままじゃ、死んでも死にきれないからね」


161 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 06:55:47.46 ID:vX8Ni6yC0

赤沢「あと、恒一君も無理しないで、ゆっくり休んでね。」

恒一「え?」

赤沢「まだ、立ち直れているわけじゃないんでしょう?」

恒一「…」

赤沢「ありがとうね、あんなことを知った後でも私のこと心配してくれて」

恒一「いいんだ…今は赤沢さんがそれ以上に不安で寂しいだろうから」

赤沢「私は大丈夫よ、必ず戻って来てみせるから」

赤沢「その時、恒一君の元気な姿を見せてくれればいいわ…だからね、お願い今は無理をしないで…」


162 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 06:58:21.26 ID:vX8Ni6yC0

この時泉美は初めて、男の子が子供のようにべそをかいて泣くのを見た。
兄が亡くなった時でさえ、自分以外の人間でここまで慟哭した姿を見せた親族がいただろうか
そんな彼の頭を泉美は母のように優しく胸に包む

恒一「僕は…殺したんだ…怜子さんを…自分の命の恩人を……救えたはず…なのに…僕は…」

恒一「それに…赤沢さんだって…いなく…なるかも…嫌だ…そんなの…」

赤沢「大丈夫…私はあなたの側にいるわ…」


163 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 06:59:29.33 ID:vX8Ni6yC0

恒一の涙と嗚咽が泉美の心に様々な想いを誘発させる
それが彼との別れを惜しむものなのか、失った仲間達へのものなのかは自分でもわからなかったが、自然と涙が頬を伝う。

赤沢「(泣いたら…ダメ…私は強くならなきゃいけないんだから…)」


164 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 07:02:10.95 ID:vX8Ni6yC0

思い出の場所には冷たい秋風が吹きこむ

こんな時まで、神様はずいぶんと意地悪で空気が読めない。

散々な人生だったのだ…せめて一度だけでも幸せな夢を…

この恋だけでも秋の稲穂と共に実らせてはくれないのだろうか…

ならば…彼には魔法かけておこう…

この恋がけっしって冷めぬようにと祈りこめた熱い魔法を

赤沢「恒一君、大好きよ。」

赤沢「始めて、この場所で会った時からずっとね…」チュ



おわり


165 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/13 07:03:01.02 ID:vX8Ni6yC0

ありがとうございましたー